氷の国#6 Golden Circle その3


ゴールデン・サークルの3か所目、
最後はグトルフォスの滝(Gullfoss)だ。
アイスランド語で”gull”は「金」、
“foss”は「滝」を意味し、
「黄金の滝」という名を持つ。
ゲイシールの間欠泉エリアからバスで10分ほど走った。

降りるとなにもないだだっ広い平原。
アイスランドは国土の1%程度しか樹木がない。
もともと土地が寒くて乾燥しており、樹木が育ちにくいのに加え、
たくさんいる羊達が若木を食べてしまうのも原因の一つ。
視界を遮るものが殆ど無い。
風も強いわけだ。

人が歩いていく方向に進んでいくと轟々とした音が聞こえてきた。
膨大な水が流れ落ちる滝が現れた。

グトルフォスの滝は高さ32mで、2段になっている。
夏の水量の多い時には毎秒140立方メートルもの水量となるそうだ。
この力強くどうどうと流れ落ちる滝も
晴れの日には美しい虹が現れる。
今回は生憎の曇天だったので虹こそ臨むことは叶わなかったが、
十二分の迫力としぶきを持って迎え入れてくれた。
大分近くまで接近できるが、滝壺から上がる水の飛沫は長居するとびっしょり。
夏は本当に気持ちが良さそうだった。
足元も当然ながら濡れているので滝近くは結構危ない。

歳を取ってから来るところではないかもしれない。

1番近くまで下ったあとは、上から整備されたウッドデッキの道を歩いて行き。

滝の真上の方から今度は下を見下ろした。
人が実に小さく見える。自然をまさに満喫した。

上流の川の両側には草や苔がびっしりと生えた大地が広がり、
遠くには白く輝くラングヨークトル氷河を見ることができる。

実はこの壮大な景色もただ単に見ることができているわけではない。
日本でも戦後ダムの建設が全国で行われ、
消滅を余儀なくされた山村が数多くあり、
当然ながら風景も一変している場所がある。
アイスランドでは20世紀初頭、
イギリスの企業がこの滝の水量に目をつけて、
一帯に水力発電所の建設を計画した。
しかし、シグリットという名の少女がこの工事に反対、
滝壺に自らの身を投じようとした事で工事を中止させた。
滝壺の横には彼女の銅像が建てられ、今も滝を見守っている。
その御蔭で昔と変わらない風景が残されている。
ありがたいことだし、
今思えばそのままにしてよかったと皆思っているだろう。

滝を後にしたバスは、その下流、「白い川」なるところに立ち寄った。

なるほど、たしかに白い。
この川はラングヨークトル氷河に水源をもつ
白い川の意味のクヴィータアゥ川(Hvíta)で
グトルフォスの滝を経由している。
このあたりではラフティングなんかもできるそうだ。

そのあとシークレット・ラグーン(温泉)に何人かの乗客を降ろし、
白い川から一時間ほど経過したくらいで馬牧場にて少し休憩をした。

馬よりも2匹の猫が居て、その猫たちと戯れたのは内緒にしておこう。
どちらも人懐こい良い子だった。

ちなみにアイスランドの馬はトルトと言われる前脚を大きくあげて走るそうで、
あまり騎手が揺れなくてすむそうだ。(走っているところは見てないけど。)
あと観光の途中で寄るところで水なんて買おうとしたら1000円位かかるのでご注意。
(私はアイスとバゲット買ったくらいで一切買ってません。)

馬小屋から1時間ほどで、レイキャヴィーク市内まで帰ってきた。
ホテルで降りるのをやめて、ダウンタウンでバスを降ろさせてもらった。
なんというパワフルなツアーだったことか。
まだ長い一日は終わらない。


左利き(酒飲み)で旅好きなアラサー男子。 猫好きのバイク乗り。 カワウ速報の由来はカワウソに似ている、 ということをきっかけにカワウソ推しになったからと、 単純にダジャレを使いたかったから。

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