目が覚めると自分の眼前に広がったのは、
気持ちの悪い中国人のおばちゃんの姿だった。
これは偏見でも何でもない。
何が気持ち悪いかというと、車輌内にも関わらず床に痰を吐く。
もちろん人目なんて気にもしない。
床はゴミ箱と一緒だから土足文化だし、
料理屋さんでも殻入れなんてものもない、
殻や骨は全て床に捨てる。
西域とカシミール#26 さらばダスト惑星
クチャへ向かおうとしていた前日のことだ。
そのクチャでテロが発生したと、
インターネットでは大きなニュースになっていた。
中国国内での報道では目にも耳にもしない。
いつもの平和な中華人民共和国だった。
西域とカシミール#25 この男臭すぎにつき
昨晩カシュガルに着いたのは北京時間深夜12時。
宿は前回と同じくセマン賓館。
最安20元の部屋での目覚めは意外と早かった。
所持金残り約800元。
朝シャワーを浴びるも生温かった。
西域とカシミール#24 4000年経とうが要領悪し
まず入国したときと違うところで車が停まったのでおかしいなと思った。
建物にはイミグレーションと明記されており、
出入国で場所が違うとだけ思っていた。
まえまえから中国の入国審査は厳しいと、
情報を掴んでいたので覚悟して臨んだ。
西域とカシミール#23 重要なのはやっぱり2だった!
国境の町スストへ行かなければならなかった。
スストから中国最初の町タシュクルガンまではバスで1600Rsと訊いていた。
だのでどうにか今まで切り詰めて来たかいあって、
1951Rsが財布には残っていた。
これなら行ける!そう確信していた。