メトロポリタン・カテドラル。
この地下には破壊されたアステカの都
テノチティトランが今なお眠っている。
ちょうどケツアルコアトルの神殿、
太陽の神殿と生贄の祭壇の上に築かれている。
コルテスはカトリックを速やかに根付かせるために、
重要施設は優先的に破壊、
そしてその神殿の石材を用いて建造されたのが
メトロポリタン・カテドラルだ。
メトロポリタンと聞くと、
どうしても大貫妙子さんが歌うあっちが脳内で再生される。
みんなのうたの映像も添えて。
タイムトラベルは楽しい。。。
どの程度の民族主義思想があったかもわからないが
その労働には先住民たちが徴用された。

以降もメキシコ全土で同じようなことが繰り返されることとなった。
今年2019年でスペイン人がメキシコに来て500年。
2021年で征服500年というある種の節目。
メキシコの現大統領アンドゥレス・マヌエル・ロペス・オブラドール。
通称アムロ(AMLO)大統領。
(就任当初は日本でもガンダム好きの間で話題になったらしい)
彼は2019年3月のニュースで500年前のことを謝罪するように
スペイン国王とローマ法王に対して書簡を送ったと報じられた。
これについてはメキシコ国内では
大統領の謝罪要求を4割の人が完全にアウトだと思っているらしい。
ちなみに賛成は3割。
現在のメキシコはメスティーソ(スペイン人との混血)60%。
すくなからず先住民に対して良くないイメージを持った人達もいる。
500年前のことを今更という意見もあるが、
謝罪のみの要求であり、賠償等は望んでおらず、
大統領としてはこのニュースがきっかけで、
国民が広く議論をするきっかけとなったことで、
目論見通りだったことだろう。
スペインとメキシコの支配関係は、
1521年から始まりメキシコ独立戦争の1821年まで続く。
謝罪をさせるならスペインに協力した
トラスカルテカ(先住民の一つ)にも
謝罪を要求すべきという話になる。
メキシコ独立後も、スペインの企業はメキシコにどっぷりで、
幾分かはしかたないにしても、
エネルギー、銀行、建設、観光といった産業を
スペインが今でもガッチリと握っている。
過去の大統領は一部のスペイン企業と癒着関係がひどかったらしい。

荘厳な教会を見学しながらも色々なことを感じる。

この真下で行われていた人身御供文化を廃止したのは確かにスペイン人だ。
でも虐殺や強姦があったことも事実。

荘厳なバロック様式の地下に眠る遺跡を思うと、
徳川家康が豊臣家の象徴である
黒い大坂城の上に白い大阪城を建てていたな。
そんなことを思い出したり、考えたりした。

タイムトラベルは楽しい。