西域とカシミール#11 公安に捕まるスタン違い


もともとカザフスタンやキルギスタン辺りに向けて、
上海から旅して来た筈なのに、
諸事情によりパキスタン行きのバスチケットを買っていた。
出発日は翌日の北京時間午前11時(ウイグル時間午前9時)。
そして朝を向かえ同室だった信さんとも涙の別れを告げ、
国際バスターミナルへ向かった。


だがしかし、
ここはさすが中国と言って置くべきか待てど暮らせどバスは来ず、
代わりに係りのおばちゃんが来て一言、
「今日はパキスタン行き来んわ。」
で終了。
くるっと向きを変えて彼女は売り場のほうへ戻って行った。
当然納得がいかなかったので窓口へ行き説明をもとめた。
彼女は不満ですという表情を一秒たりとも変えようとせずしゃべり始めた。

職員「バスそのものが来とらんし、向こうからの連絡もないから知らん!」

自分「じゃあ明日は?」

職員「今のところお前一人だから、どのみち出んわな」

自分「じゃあどうすんだ!」

職員「人民広場のバスターミナルへ行きゃあタシュクルガン(国境の町)行きがあるわ、まあ九時発だから今日はどのみちないけど。」

という具合で終焉。

このとき既にパキスタンルピーも両替しており準備万端で臨んだ為、
行けないと言う事は死を意味していた。
因みにこの時の所持金8100Rsと900元、日本円にして約27200円。
残り旅行予定日数3週間!
しかもこれで上海まで戻らなきゃいけない!

仕方なしにチェックアウトしたばかりの宿に戻り、

再びチェックインした後もう一方のバスターミナルへ行ってみた。
窓口へ行きタシュクルガン行きを買い求めると、
あっさり
「外国人には売れん、一ヵ月くらい毎日来い。」
とバッサリ切り捨てられてしまった。
一ヶ月も居れるわけねぇだろ。

かなり状況的にピンチに立たされたわけだが、
念のためもう一度国際バスターミナルの方へ足を運んだ。
するとどうもパキスタン人らしき人たちが居たので、
藁にもすがる思いで質問。

自分「パキスタン人か?」

男ら「おう」

自分「明日国へ帰るか?それもバスで。」

男ら「おう」

彼らがどれだけ神々しく見えたことだか。
感極まって踊ってしまいました。
そういった訳でチケットを買いなおし、
涙の別れをした筈の信さんと再び涙の再開をした。

気分も良くなったところで腹も減ってきたので、
活気のある市場を散策した。

路地裏を散策。

ちんちん丸出しの子供や、
眉毛の繋がった女の子。見るもの全てが新鮮。


歩いているとアイス屋のおやじが話掛けてきて自分が日本人とわかると、
明日うちの息子の結婚式があるからぜひ出席してくれと頼まれた。
なんという親日。ただ明日出発だから泣く泣くお断りをした。
ごめん、おやじ。

そして夜はトルファンで出会ったドライバーとビールを飲んだ。
イスラム教徒なのに良いの?とは野暮だから聞かないでおいた。


左利き(酒飲み)で旅好きなアラサー男子。 猫好きのバイク乗り。 カワウ速報の由来はカワウソに似ている、 ということをきっかけにカワウソ推しになったからと、 単純にダジャレを使いたかったから。

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