墨と玖#5 メキシコ国際空港


安定飛行に入るとすぐに
おしぼりが出てきた。
そのあとおつまみと飲み物を頂戴した。
なんの迷いもなくビールを選んだ。
キリンの一番搾りだった。

ラウンジで好きに飲めなかった分と、
ずいぶん長いトランジットだったために、格別にうまかった。
機長の案内によると20分ほど定刻よりも順調に飛行していた。
ビールはすぐにお代わりをした。
手元には黒ラベルが新たに置いてあった。

映画を観るか音楽でも聴こうかと思って、
自前のイヤフォンを使おうと思ったが、
所有するiphoneのイヤフォンが、
イヤフォンジャックタイプでないことに気がついた。
うっかり忘れていた。やっぱり今の所この仕様は不便だ。
仕方なしに機内付属のヘッドフォンで音楽を楽しむことにした。

そのあと日本時間18:30前に晩御飯が出てきた。
天玉丼とカレーライスのうち前者を選んだ。

味付けは文句なしで美味しくぺろりと平らげた。
お代わりをしようかとも思ったが、
案外お腹が膨れたのでやめて2本目の黒ラベルを飲んだ。
食後には市販サイズより大きいハーゲンダッツが出てきた。
食べ終わると前方にあるトイレに行くために席を立った。
用を済ますとボディークリームがおいてあったので、
手と顔に塗りつけて席に戻った。
機内は乾燥するからありがたい。
トイレを出ると最後尾まで行きCAの方に、
ウイスキーのロックとおつまみを持ってきてもらうようにお願いをした。
やってきたのはシーバスリーガル12年だ。
ちびりちびりと味わった。うまい。

そのあと結構長い時間機体が揺れた。
丸々命預けているんだなだとか、
落ちたらそりゃあ死ぬだろうとか、
心配しているわけではないが、
考えても仕方ないことが頭には浮かんだ。
揺れるのは何度乗っても少々不安になるものだ。

今回はもう映画もやめてひたすら音楽と読書に徹した。
あまり寝てないなかったので、
時折うたた寝もしたりしながら時間が過ぎていった。
モニターで位置情報を確認すると半分くらい進んでいた。
3時間ほど寝ると、
軽食としてクロックムッシュが供された。
アルコールはそろそろやめて、
オレンジジュースとりんごジュースを飲んでおいた。
ついでトイレにまた行き顔を洗った。
夜が明けて来るとちょうど南西側の座席のため陽は見えなかったが、
分厚い雲が眼下に広がり先の方は薄っすらとピンクがかっており、
また格別に綺麗だった。
日本時間にして夜中の00:30頃のことだった。


突然目の前のモニターは触っても点灯しなくなってしまった。
CAの方に頼むと再起動をしてくれて正常に動きだした。
音楽がほしかったのと、
時々現在地情報を観るのが面白かったのでホッとした。

ふたたびオレンジジュースを飲んだ。
少し瞼を閉じてみたり本を読んで過ごした。

外を見るといつのまにか街が見えてきた。
豆粒くらい小さいかったが、
注意して見ていると随分と大きく整然とした街ということがわかった。

地図を見るとロサンゼルスだった。
確かに巨大ビルが密集したところがみつかった。
上からだとマッチ箱のように見えた。

進む飛行機はアリゾナの砂漠も観れたし、美しい風景でひっきりなしだった。

到着まであと2時間になったところで、
朝食の準備が始まり先におしぼりが配られた。

朝食には白身魚の照り焼きを頂いた。
日本時間にして明け方の3:30過ぎくらいだった。

食後1時間ほどでメキシコシティの街並みが眼下に広がった。
家屋にはオレンジ色の屋根が多く使われており、
885万の人口を擁する大都市に色を添えていた。
旋回しながら大都市に突っ込んでいく様は非常に印象的で、
ずっと機窓から食い入るように着陸するまで、
その様子を楽しむことができた。

空港に着陸した時間自体は20分ほど定刻よりも早く、現地時間の13:20だった。

入国審査や現地紙幣のキャッシング、お手洗い等を済まし、
気がつけば15:00くらいになっていた。


左利き(酒飲み)で旅好きなアラサー男子。 猫好きのバイク乗り。 カワウ速報の由来はカワウソに似ている、 ということをきっかけにカワウソ推しになったからと、 単純にダジャレを使いたかったから。

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