一応体調はなんとか回復させた。
ちょうどウィーンは天気も良く晴れていた。
地下鉄に乗って移動。
最初にシェーンブルン宮殿を見学しに行った。
中には入っていない。
ベルサイユ宮殿の時と同じで、
中身そのものにはそこまで惹かれなかったからだ。
庭の方だけ見て回り外観だけを堪能した。
とかく広大な庭だった。
こういった建物を見ると華やかだったハプスブルク家を想像する。
これが離宮というのもすごい。部屋数も1,400室超。
ウィーン会議でも有名だ。
豪奢すぎるその建物と庭は同時に酷い過去をも想起させた。
フランスに嫁いだマリー・アントワネットも処刑された訳だし。
そんな事を考えながらシェーンブルーン宮殿を後にし、
トラムに乗って中央墓地へ向かった。
名だたる音楽の巨匠たちの墓参り。
別に音楽が得意な訳でも楽器が出来る訳でもないが、
他に行きたいところも無かったので行ってみた。
もちろん好きな曲もあるし、嫌いな訳ではない。
せいぜい話しのネタである。
好きな人に言ったら石でも投げられそうだが、
知らない物は知らない。
小学生時分のときに教科書でみた名前がそこにはあった。
ついでにちょっと離れた場所にある、
モーツァルトの墓にも行ってみた。
少し寂しい場所にあった。
この国で辛いのは日曜日だからか
スーパーがどこも閉まっていた事。
それはそれで良いところもあるのはわかるが旅行者には辛い。
落書きは多いし入っては行けない芝生には入る人間はいるし、
マナー違反も良く目に付いた。
昨日の食事が最低だったので、
今度こそはと思い、有名なシュニッツァの店で食事をしてみた。
1番売りであるはずのシュニッツァが不味かった。
サイドメニューで頼んだスープはうまかったが、
値段に見合うようには思えなかった。
とてもじゃなかったが完食できるものではなかった。
なんでこんなものをもてはやす人がたくさんいるか謎。
店員はドギーバッグするかと聞いてくる。
申し訳なくは思うが、いる訳がない。
ここのギャルソンたちに日本の豚カツを食わせてやりたい。
薄くて広いここのシュニッツァは冷めやすく味も何も無い。
オーストリア料理は不味いという印象を残して終わった。
お口直しではないが本場でレッド・ブルだけ飲んで寝た。
翌朝空港へ行くと、
たまたま腰を下ろしたベンチに、
岐阜から来たというおじさんがいた。
いきなり意気投合した。
そのおじさんは今回の旅行で君のような人に出会えた事が、
一番の収穫だったとまで言ってくれた。
帰国したら飲みに行く約束をそこで交わした。
名前は児玉さん。岐阜に住んでいるらしい。
携帯電話の番号も交換した。
彼はそのまま成田行き。自分はバンコク経由台北行き。
好きな人には悪いが最後の街が一番つまらなかった。