墨と玖#13 ピラミダスその4


太陽のピラミッドはでかい。
登れるピラミッドとしては
世界で一番でかい。
元の名前は不明で
13世紀にやって来たアステカの民がつけた名前だ。

高さ71.17メートルは
おおよそギザのピラミッドの半分程度で
世界で3番めに大きなピラミッドとなる。
幅は223.48メートルの底面は正方形だ。

段数は248段ある。
登るとなると結構きつい。
というのもメキシコシティもそうだが、
テオティカワン自体が標高約2,300メートルある。
これはマチュピチュが
標高約2,400メートルだということを考えると想像しやすい。

登り始めると段差が急なところではまごついてしまう人もおり、
ちょっとした渋滞状態になってしまっている。
手すりやロープが安全の為、設けられてはいるが、
それでも普段運動していない人がノンストップで登るには、
無理というものがある。

自分は駆け足で上り抜けてはみたが、
流石に息は切れたし、途中の渋滞にもハマった。

頂上からの景色は結構気持ちが良い、
これだけの空間なら最盛期の20万人都市というのも頷ける。

月のピラミッドもよく見えた。

廃墟になっているものの、
往時の国際都市だった様子がよく伺い知れる。

このてっぺんの部分にはかつては祭壇もあったらしいが、
今は跡形もない。

そしてこの太陽のピラミッドにも謎が多く、
一番驚くのは上部の岩床の下に床材として
マイカ(雲母)が使用されていたこと。
マイカは層となって発見され、
通常床材としての使用例はなく、
このような遺跡での使用は
世界中どの遺跡をみても存在しない。
そしてマイカは電気絶縁性や耐熱性に優れており、
軟質マイカで約900℃の熱にまで耐えられる。
現代の所謂ハイテク素材として利用されており、
ケツァルコアトルの神殿で発見された
超伝導体である水銀、太陽のピラミッドのマイカ
と考えるとなにか電気を使った装置でも
あったんじゃないかと
これまた夢が広がる。

実際まだまだテオティカワンについては調査中であり、
今後も色んなものが発見されていくと思う。
文字記録が残っていないので、
今後の調査にも時間はかかると思うが新たな発見に期待したい。

頂上ではビュービューと
風が強く吹き付けていた。
裏手の景色を見に行くと、
ピラミッド維持の一貫として
隙間に生えた雑草の草むしりを手作業でしていた。
日陰もないし結構な重労働だ。
こういう作業があって
今もこの遺跡を見るだけでなく
登ることができていると思うと本当にありがたい。
ある程度景色を堪能して階段を下り降りていった。
再び死者の道に戻って最期の目玉、
背に配したセロ・ゴード山を
模倣するように建造された
月のピラミッドへ向けて歩いた。
死者の道はまだ続く。
本当に広い遺跡だ。


左利き(酒飲み)で旅好きなアラサー男子。 猫好きのバイク乗り。 カワウ速報の由来はカワウソに似ている、 ということをきっかけにカワウソ推しになったからと、 単純にダジャレを使いたかったから。

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