欧州の旅#11 男の世界


ロッテルダムへ向かう列車に乗っている。
ベルギーから来た道を戻る格好である。
10月は一年で最も天気が崩れやすい月だ。
にも関わらず気持ちのよい晴天で、
アムステルダムから1時間ちょっとのその駅は、
2010年開業予定の新駅舎の工事に追われており、
到着したのは仮設駅舎だった。

工事の為もあり案内板を見ても観光案内所が中々分からない。
分からないでいると、
ちょうど自分と同じ状況であろう女の子がいた。
本省人の台湾人だった。
聞けば目的地が同じキンデルダイクだった。
自然の流れで、

「一緒に行こう。」

そういう事になった。
程なくして観光案内所を見つけ、
キンデルダイクへの行き方を教えてもらった。
先ずは地下鉄を使ってバス停まで移動をした。

次に90番のキンデルダイク行きのバスに乗り、
ゆっくり、ゆっくりと目的地に向かった。

キンデルダイクに着くと閑散期という事もあってか、
殆ど人がおらず、
だだっ広い平野の中に
ぽつり、ぽつりと風車が見えた。

天気の良い日に川と風車を横目に、
延々と続く小径をのんびりと歩く。

本当に気持ちが良かった。
余談だが風車へは一基のみ開放しているものがあり、
入場料を支払えば中に入れることができる。
もっとも払ってまで入る価値は無いかなと思った。

思い付きではあったが来て良かった。

5時25分の列車でアムステルダムに戻り、
台湾人の女の子とはそこで別れた。

中央駅から徒歩5分ほど歩いて、
中央図書館Bibliotheekに入った。

前知識無しで入館したが、ここは来てよかった。
中には本以外にCDなどのメディアも充実しており、
レストランまで併設されていた。

iMacがいくつも並んでおり自由に触ることができた。
iMacはネットに繋げられており、
情報収集やメールのチェックも行えた。
おまけに日本語を使えるものもあった。

宿に戻ったのは20時頃だった。

初日から居たメガネの韓国人のキムからのお誘いで、
夜のアムステルダムへ出かけた。

夜のアムステルダムは昼間とはまた違った光景が見られる。
昼間でもコーヒーショップから大麻の臭いは漂うが、
夜はもっともっと臭った。
ミニカジノといった小さな賭博場や、
アダルトグッズのお店が所狭しと軒を連ね、
妖しいピンク色のネオンがそこら中で輝いている。
飾り窓の中には下着姿の娼婦がおり、
中には既にカーテンの閉まっている”使用中”の物まであった。

街を歩けば客引きにセックスショーはどうだとか、
時には日本語でも言われる。

更にはガイド付で団体観光客まで夜の街を歩いている。
確かにここでしか見られない光景ではある。
レインボーフラッグなんて物は何処にでも掲げられており、
ゲイにも寛容である。

夜の風景を写真に収めていると、
飾り窓越しではあるが、
思い切り娼婦に指を指され、もの凄い剣幕をされた。
どうやら撮影禁止だったようだ。

要するに、この国は単に取り締まりきれないので、
色々合法にしているだけであると思うと合点がいった。
街全体が赤線区域なのだ。

最後にsex outletなる如何わしいお店を拝見した後、
黒ビールをグッと飲んで二人で宿に帰った。

※お姉さんのようなお兄さんもいるので買われる方は注意してください。


左利き(酒飲み)で旅好きなアラサー男子。 猫好きのバイク乗り。 カワウ速報の由来はカワウソに似ている、 ということをきっかけにカワウソ推しになったからと、 単純にダジャレを使いたかったから。

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