ケルンからのローカル列車は、
各駅停車でゆっくりとトリアーに向かっていた。
セリッサに携帯を借りて、
次に会う友人ヨセフに連絡を取るつもりにしていたので、
ちょっと困った。
到着一時間程前になっていた。
仕方ないなと周囲を見ると、iphoneを持った人が居た。
見ればかなりイカつい。
スキンヘッドで髭もじゃなおじさんだ。
お願いをしたらiPhoneを貸してもらえ、
なんとかメッセージを送信する事に成功した。
お礼に5円玉を差し出した。
穴の空いたコインは珍しいらしく受け取ってくれた。
やっとのことで安堵できた。
夜の帳も下りて真っ暗になった。
トリアーに着いたのは22:10だった。
かなり気温は落ちておりオランダと比べ随分寒かった。
降りたらすぐヨセフが迎えに来てくれている。
と思ったがいない。
またか。
取りあえず寒さを凌ぐため、持っていた衣類を着込み、
一番暖かい格好になった。
公衆電話を使おうとしたが小銭が無くて諦めた。
駅周辺に殆ど明かりがない。
どうしようかと考えた矢先に彼はやって来た。
晩い。
しかし会えて助かった。
もし会えなかったら、
何の情報も持ち合わせていないので、
宿を探すだけでも苦労するところだった。
彼のアパートは歩いて10分程の好立地で、
部屋に入ると
色々なビールと何故か日本の梅酒が置いてあった。
ので、それをしこたま頂いた。
暖まる。
翌朝、二人でルクセンブルクへ行った。
別に何か目当てがあって来た訳ではなく、
ついでだから来た、といった体だ。
実際にそう見るべき物も無い。
ただ街をぶらつき金持ちの国なんだなぁ、
というのを実感して来ただけである。
赤ん坊の乳母車も見るからに高級で、
着ている服が明らかに高そうで、
流石一人当たりのGDPが日本より高いだけはある。
ヨセフのおすすめのお店に入り、
野郎二人で頂くアイスはなんとも言えない空気感だった。
余談だが、
ここはかつて非武将中立国としても有名だったが、
第一次大戦、第二次大戦どちらもドイツに占領されている。
徴兵制度を導入後現在は採用制度で軍隊を維持している。
夕方またトリアーに戻り、少し街を歩いた。
夜はヨセフのアパートで晩飯。
内容は何故かタイ料理のイエローカレー。
彼は昨日作って食べたらしく、
お陰で今日一日しょっちゅうトイレに行っていた。
アホだな。
相当コレは辛いぞコレは辛いぞと注意を促すも、
翌朝も腹を壊していたのは彼だけだった、
ということは筆舌に尽くし難い程に笑えた。
相変わらず突っ込みどころの多いドイツ人だった。
そしてすごいオタクでアジア好き(アジア人女性好き)の良い奴だ。
ありがとう。