欧州の旅#15 壁


ベルリンは雨天で相当な寒さだった。
寒い上にフランクフルトからの夜行列車は、
直通でなく乗り換えがあったために疲れていた。
地図は持っていたが、全く内容が違う。
というのも、先のワールドカップに合わせ、
新しい中央駅に代わってしまっていた為に
2006年のガイドブックじゃ対応しきれていなかった。
取りあえずバスでポツダム広場まで移動して、

そこから歩くこと10分程。
ユースホステルにチェックインをした。
当然予約などしていない。
一泊15€と格安で、
三日分とデポジットの分55€をカードで支払った。
大きめなホステルでドームが1と2に別れており、
フロントからドーム2の鍵を渡された。
ベッドナンバーは9番だった。
階段を上がって部屋に入るとワキガの臭いがした。
臭い。
荷物だけ降ろしエントランスに戻ると、
ちょうどフリーの朝食を提供していた。
それもビュッフェ形式。
本当なら食べられないが着いた時間が早く、
早めのチェックインが出来たため便乗して朝食にありつけた。
結構内容が充実しており、
流石ユースホステル発祥の地と言ったところだった。
食後、部屋に戻る途中に設置されてある椅子に腰を下ろした。
机に向かって何やら読み物をしている眼鏡をかけた男がいた。
日本人だった。
彼は群馬県出身の天田という人で、
ワーキングホリデーでドイツに来たとの事。
ドイツ語も英語も全く喋れないらしく、
取りあえず、ココで連泊して身の振り方を考えているらしい。
靴も濡れていたし休憩もしたかったので、
一緒に向かい合って腰を下ろした。
彼は最新版のガイドブックを持っていたので、
拝借して、ページをゆっくりとめくった。
森鴎外記念館が歩いて行ける場所にある、
ということが取りあえず分かった。
随分とゆっくりしてから部屋を出た。
記念館に行ってみると、閉館時間が14時までとの事。

あと20分程しか無かったので、
係の人は明日来る事を勧めた。
従うことにして、来た道を戻っていった。
スーパーカイザーというスーパーがあったので、
食材を買っうため立ち寄り、宿に戻った。

部屋に戻ると同室に新たな日本人がおり、
今度は大学に留学手続きする為に来たとの事。
おもしろい。
因に朝臭かったワキガの臭いが消えていた。

温かいシャワーを浴び洗濯物を手洗いで済まし、
洗い終わった物を靴とともにオンドルに寄せ、
食事をしながら音楽を聴いたり日記を付けたりした。
途中部屋にはオーストラリア人の女性、
ドイツ人のじいさんが入って来てそれぞれと喋った。
床について寝てから寒さを感じて目を覚ますと、
昼間のワキガの臭いがした。
原因は、
最後に戻って来たと思われるドイツ人の男の所為であった。
また、寒くなったのも、
部屋の窓を全開にした彼の所為だと分かり少々苛ついた。
その上じいさんを含むドイツ人たちが、
夜中いつまでも喋って喧しく、
注意しようとした矢先に、
オーストラリア人の女性が注意してくれた。
それでもしばらく五月蝿かった。


左利き(酒飲み)で旅好きなアラサー男子。 猫好きのバイク乗り。 カワウ速報の由来はカワウソに似ている、 ということをきっかけにカワウソ推しになったからと、 単純にダジャレを使いたかったから。

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