起きたら8時だった。どうやら良く寝たらしい。
身支度をして出発しようとする頃には、
宿のおばちゃんの姿は見えなかった。
洗濯物はどうするんだと思いながら外に出ると、
空は曇っていた。
気温はベルリンよりも暖かく、
随分行動しやすくなっていた。
メインのヴァーツラフ通りを歩き、
途中にあるホットドッグスタンドで、
白ソーセージのホットドッグを購入した。
腹が減っていたのですぐに頬張った。
うまい。
注意したいのが全く同じホットドッグスタンドでも、
国立博物館に近いほど値段が安い。
勿論内容は同じである。
プラハは色々な年代の建築物が見られるためおもしろい。
先ずは火薬塔へ向かった。
明らかに回りの建物に比べ古い。
1475年に建てられ、
ゴシックとルネッサンス様式が混ざっており、
高さ65mもある威風堂々とした佇まいだ。
旧市街の方へ歩き、ユダヤ人街を経てカレル橋へ。
橋は少々修繕工事をしており、観光客でごった返していた。
それにしてもここプラハはあちらこちらに古めかしい建物があり、
ロンドンとはまるきり違う印象を受けた。
彫刻も街中にあふれている。
橋から見えたプラハ城を目指して、
坂と階段をえっちらおっちらと登っていった。
プラハ城の内側にある聖ヴィート大聖堂は、
無料で入ることができる。
屋内には有名なミュシャのステンドグラスがある。
これは美しくかっこよい。
何分間だか魅入ってしまっていた。
それからロレッタ教会を経由し、
飢えの壁を抜けてストラホフ修道院へと足を運んだ。
修道院は工事中ではあったが、きっちり入館料は徴収された。
ヴァルダヴァ川沿いのダンシング・ビルを拝み、
宿の相場を調べるためにホテルエマの値段を見に行くと、
4人部屋のドミトリーで250Ck、6人で190Ck、8人で140Ck。
なんだ随分と安いじゃないか。
2人だったら自分の部屋も超破格ではあったが、
宿のおばちゃんは親切だったので良しとしよう。
誰もいないホテルに一度戻り、
今度はミュシャ美術館を覗きに行ってみた。
値段の割には少々狭いが、展示物は面白かった。
ちなみに運営しているミュシャ財団の代表は、
ミュシャのお孫さんがやられています。
それからミュシャはチェコ語だとムハになります。
プラハはとても素敵な街で観光地としての魅力も高い。
それでも”行きたい”でなく、
ややもすると”行かなければ”という
義務になってしまいそうで怖い。
そうであろう人たちを沢山見るのも少し怖い。
だからたまに滅入るのかもしれない。
嵐のように観光バスでやって来て、
自らを中心的な被写体としてファインダーに収める、
また観光バスで何処か次の名所に向かう。
滅入る。
寒くて時々滅入るヨーロッパは、
ホットワインであったまるに限る。
それも外で。
教会でコンサートを聴いた。
一番しっくりきたのはスメタナのモルダウだった。