気怠さで始まった。
今日出発だったということもあり、
夜中のうちにパッキングをした事と、
他の客が騒がしかったことが起因している。
眠りにつけたのは随分と晩くだった。
おまけにまだ外も暗いうちに件の客がパッキングを始めた。
それも電気まで付けて。
それでも8時に体を起こし、シャワーを浴びた。
一度朝食のために外に出て昨日も行ったミニスーパーへ入った。
ブルーベリーのヨーグルトと水1.5L。
店員のおばちゃんに頼んで、
パンにチーズとハムを挟んでもらった。
こちらのスーパーでは、
簡単なサンドウィッチをその場で作ってもらえる。
ありがたい。
体調が悪いまま宿の休憩スペースに腰を下ろし、
ゆっくりと食事を摂った。
ちょうど食事が終わると、後ろから声を掛けられた。
振り返ると栗毛色の髪をした女性がいた。
彼女はジプシーがずっとここに留まっているようなので、
下のラッゲジルームに荷物を預けるのが心配だと相談してきた。
そんな下手な心配はしなくても大丈夫ですよとは言っておいた。
彼女はそれでも多少心配した顔をしていたので、
出身地だとか他愛も無い話しに話題をかえると、
彼女の出身地がブルガリアだと分かり、
僅かばかりではあるが、
以前憶えたブルガリア語をちょっと使ってみると、
彼女は驚いた表情で何かブルガリア語で、
つらつらと話して来た。
残念ながら少し出来るだけだと断っておいた。
しかし、結構喜んでくれて気は紛れたようだった。
そのあと10時にチェックアウトをして荷物を宿に預けた。
怠さはあったがぽつりぽつりと歩き始め、
リュブリャナ城のある丘へ向かった。
その途中に市が起っており賑わいを見せていた。
丘の上でぼんやりと景色を堪能した後に、
気にもなったので先程通った市場に立ち寄ってみることに。
色々と物色をしていると、キャンドルが売られていたり、
日本では珍しい牛乳の自動販売機があった。
そしてリンゴジュースが売られているのを見つけた。
当然即購入した。疲労回復には林檎だ。
町のシンボル三本橋にあるベンチに重い腰を下ろし
栓を開けてジュースを飲んだ。
身体が水分を欲していた。
1.5Lあったが、するすると飲み干した。
こいつは美味い。
しばらく休憩をして、お腹に何かを入れなければと、
昼食も市場で済ませることにした。
先程物色したときに見た魚を扱うお店に決めた。
料理を受け取ると、
テーブルと椅子が併設されていたので席についた。
新鮮な魚のグリルにたっぷりとレモンを絞り、食べた。
うまい。
体調さえ良ければもっと美味かったろうに、
惜しいことをした。
あまり活発には動かない一日はほとんどベンチでゆっくり座って過ごし、
予定通り16時のEC150に乗ってオーストリアのウィーンに向かった。