トルファンからクチャへ向かう列車は空調無しの上に無座だった。
早い段階で空くと思ったが全く空かなかった。
知らない人の為に明記しておくが、
中国の硬座(二等)は座席分を売りつくすと、
今度は立ち席を販売する(無座)。
勿論料金は同じ。
本数の少ないものや人気のあるもの、
または祝日などには大量の人民たちが乗り入れ、
荷物も半端なく”尿素”と書かれた麻袋やバケツ、
天秤棒を使う人やニワトリさんなんかにもお目に掛かれる。
よって席が有る場合でも荷物を置く場所の確保が難しかったりする。
以前座席の下にバックパックを入れようとし、
なかなか入らないことがあった。
てっきり座席の構造上の問題かと思ったら、
座席の下から小汚く日焼けした背広を纏った中国人が現れたのだった。
日本でずっと生活している人には想像しにくいかもしれませんが、
大陸ではよくあるんです。
中国のトイレは汚いとよく言いますが、
列車内も例外ではなく汚物にまみれています。
よく車内の蛇口は断水し、
自然と汚物が溜まっていき、
断水していない時でも流さない(流し方が分からない?)人が多く、
おまけに排泄物は全て車外に垂れ流し、
つまり中国の列車は沿線に糞尿を撒き散らしながら走っているのだ。
さらに込んでいる時などトイレは小一時間ぐらいは待たないと入れず、
並んでいても停車中は車掌にトイレの鍵をかけられ使用不能に。
我慢しきれない人は停車中に野外プレイ。
子どもは車両連結部や洗面台に向けて放尿。
黄色い水のソンクラーン(タイ旧正月の水掛祭り)。
用を足し今度は手を洗おうとするものの、
洗面台の上で人が寝ているので使用不能。
ウェットティッシュが本当に役立ちます。
また無座の人に対して悪魔のようにやって来る売り子。
生ぬるいビールやジュース、
簡単な食事やおつまみが入った手押し車を押してやってくるのだが、
込んでいる時もお構いなしで、
通路などでしゃがみ込んでいる人をいちいち立たせて通っていくのである。
おちおち休憩もしていられない、
車掌なんかはこちらの苦労を労う訳でもなく冷徹。
彼らはそんなしゃがみ込んでいる人たちに一言
「ここに座らず別の場所へ移れ」
って何処にもそんなスペースはない。
さらにさらに、新疆やおそらくチベットも車内チェックが厳しく。
必ず身分証の提示を求められたし、
駅に入る時に荷物チェックをしたのにもかかわらず、
金属探知機を持った警官が現れ車内でもチェック。
引っ掛かった者は問答無用で荷物をひっくり返される。
しかも真夜中でも。
結局自分は10数時間立ち続け、
座れたのは一時間程度だった。
多分今までで一番ツライ乗り物だったかも。
因みにどうして寝台を使わないかと言うとお金を節約したいのもあるが、
以前乗った2等寝台のベッド(3段タイプの上段)の上に、
30匹くらいゴキブリが居たからである。
その時はすべてデコピンで弾いて下の人民にプレゼント。
そもそも人民が食い散らかすからイカンのだろう。