西域とカシミール#7 郊外へは行きません


昨日洗濯した衣類は全て乾いていた。
窓もない部屋なのに、おそるべし砂漠地帯。
そして固かったうんこが嘘みたいに柔らかくなった。
おそるべしウイグルヨーグルト。
というか自分の身体そのもの。

そんなわけで客引きの、
「郊外行かんか~」
には無視を決めて町をお散歩。
この町に着いた当初はチョッピリ残念な感じかなっと思っていたが、
少し歩けばウイグル人居住区(?)が現れ、
彼ら独自の生活を営んでいる。
ポプラ並木を眺めながらマザール(イスラム聖者の墓廟)を経て、

書いていなければ分からない昔古城だった土塁の横をすり抜け、
農作業をしているウイグル人のおじいさんに挨拶。

なんてことはないのにコレだけで心が洗われていく。
ウルムチでクサクサしていた自分が、
随分と馬鹿らしくも思えてきた。

ウイグル人たちの住宅街を歩いていた時少し雨がぱらついて来た。
するとバイクに乗ったウイグル人の男性が親切にも後ろに乗せてくれ、
行こうと目指していたクチャ大寺まだ乗せてくれた。

勿論彼らはお金など請求しなかった。
中国を旅行していると、
乗る前などに料金を聞かないとぼったくられる。
(決めた値段を後から変更しようとする奴もいる)
そんな事を痛いほど知っていた為であったが、
逆に自分が彼に値段を聞いたことに関しては、
酷く不躾なように思われた。
ここでは本当に気持ちの良い旅行が出来る。

そこからバザールへ歩いて行き、
途中アイス屋さんでヨーグルトを啜っている青年に声をかけられた。
彼は自分をさっきクチャ大寺の方で見たといい、
ちょうど良いと思って自分もアイスを注文し、

腰を下ろし話しの相手になった。
ふとした切っ掛けでこちらが彼に”東トルキスタン”は良いね、
とウイグルを独立した国として賛美した。
すると彼は今まで柔和だった表情を強張らせ辺りを見回した。
と同時にここではまずいからとアイス屋さんの勘定を済ませ、
彼の友達の屋台まで移動した。
彼は言う、ここらでは何処に目があるとも分からないから、
本来の国名を言うのもご法度だと。
彼に言われて始めて気が付いたのだが、
町の所々に監視カメラが設置されていた。
もちろん車両などを見るようなものではなく、
完全に人を監視するものだった。
というのも設置場所が車が通るようなところではないからである。
ここウイグルでは子どもたちも拉致されていると教えてくれた。
それらの子どもたちは洗脳教育を施された上にウイグル語の読み書きもできないような子に育て上げられてしまう。
後に社会に解き放って同じ民族同士の争いを誘発している。
そういったこともあって、
街中の何処に目があるか分からないのである。

そんな話をした後彼とその友人たちはご飯をご馳走してくれた。

決して裕福ではないはずなのにその感謝は心に染み入る。
そして関係ないけど、
ケバブ屋のオヤジは髭面で腹もすごい出ていたが、
奥さんが若くてすごい美人だった。やるなオヤジ。

子どもは無邪気に笑い、写真を撮ってもらいたがる。
この町で撮ったほかの写真を見せれば、
知り合いを見つけて大はしゃぎ。

本当に独立していないのが残念に思われる。
石油も出てるのに。

宿に戻るとトルファンのツアードライバーとばったりと再会した。


左利き(酒飲み)で旅好きなアラサー男子。 猫好きのバイク乗り。 カワウ速報の由来はカワウソに似ている、 ということをきっかけにカワウソ推しになったからと、 単純にダジャレを使いたかったから。

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