図書館を後にすると、
隣接するブエナビスタ駅前を歩いた。
装甲車など軍事関係の代物が屋外展示されていた。
なにかイベントが有るようであった。

少々小腹も空いてきたので、
繁華街へ移動することにした。
ブエナビスタ駅正面の横断歩道を渡ると、
屋台が地下鉄の階段までびっしりと並び、
簡単な食事や雑誌、衣類と
様々なものが所狭しと売られていた。
地下鉄の窓口で5ペソを支払いチケットを受け取った。
メキシコメトロには自動券売機というものはなく、
購入はすべて窓口を通す。
料金が一律のため、
チケットは改札に入場するときに回収される。
バーが3本回転する、
所謂ターンスタイル式の自動改札機だ。
改札を抜けると、行き先の方向を確認して、
メトロB号線に乗り込んだ。
乗り込んだ車両は結構な乗客がおり、
座席は埋まっていたので立ち乗りとなった。
メトロが動き出すと、
同じく立ち乗りをしていたメガネの青年が声をかけてきた。
彼は英語で日本人なのか、
旅行できているのかと幾つか質問をかけてくれた。
会話をしているうちにどこに行きたいのかと問われ、
中心街に行きたい旨を伝えながら、
地図でベジャス・アルテス駅(Bellas Artes)を示した。
メトロ8号線に乗り換えが必要で、
一緒に乗り換え先のところまで案内してくれた。
お礼を言い無事に乗り換えて、
ベジャス・アルテス駅で降りることができた。
いい人が多い。治安も良い。
そう思った。
駅につくと同名の宮殿がライトアップされていた。

少しだけ周囲を散策をすると、重厚な建築物が多く、
中でも青いタイルを使った建物はひときわ綺麗だった。
どうも、もともとは邸宅であったようで、
青みがかったタイルはタラベラ焼きというらしい。
1614年には、支倉常長の遣欧使節団が
メキシコシティに入り、
タイルの家に滞在した記録がある。

日本ともゆかりのある建物のようであった。

20:30を回ったあたりで
1928年創業と書かれた
青い看板のSalon Coronaというお店に入ることにした。
カンティーナである。(メキシコの大衆居酒屋)

手前はカウンター席で、
奥の方は広く、テーブル席が設けられており、
ちょうど凸型の間取りになっていた。
よくシステムもわからなかったが
とりあえずテーブル席に腰をおろした。
しかし杳として無反応だったので、
席をカウンターへ移動をした。
一人だしそのほうが都合が良かろうと、
スツールに腰をかけてみると、
カウンターと椅子の間には、
不釣り合いなほどの落差があった。
これは大人が座ってもちょっときつい。
身長185cm以上で、
ちょうど良い塩梅ではないだろうか。
とりあえず、メニューはすべてスペイン語表記で
皆目検討がつかなかったので
ビール500mlを注文した。
知っているスペイン語なんて、
ビールをくれとかワインをくれだとか、
せいぜい安くしてくれぐらいなものだ。
カウンター越しにいる従業員は、
みんな毛髪が落ちないように
ヘアキャップをかぶり、
マスクまでつけていた。
かなり徹底している。

ビールが供されると、
まずは乾いた喉をキュッと潤した。
少し落ち着いたところで、
同じカウンターの左横の席にいた、
体躯の良い全身刺青の男性と仲良くなった。
2019-07-29
[…] もう一度観てみた。昼は昼でよく見えて美しかった。墨と玖#8 Salon Corona参照 […]